赤い夕陽が校舎を染めて、いれの木かげにはずむ声……。
ああ高校三年生…。
僕ら離ればなれになろうともクラス仲間はいつまでも……。
『もっと音楽のある生活を』と思ったらこんな歌を口ずさんでいました。
遠い昔、青春の日々が脳裏を走ります。
そうです、あの頃あの時は、確かに心にゆとりがあった。
夢や希望が音楽とともに生活の中にあった。
苦しい時も悲しい時も、音楽が何かの支えのごとくに共有してくれていたこともあったなあ……。
我が部屋に たそがりせまり 青春の 貴重な時は 今日も過ぎゆく
東京の下宿でレコード(当時はCDはないから)を聴きながら、静かに自分自身を見つめていたように思います。
今の世の中忙しすぎるよね。
情報化時代、それはまさに早いものが遅いものに勝つ時代と言えるかも知れない……。
だけど、それだけでいいのだろうか…。
忙しければ忙しいほど、IT化が進めば進むほど、私たち人間は、あえて休んで立ち止まって考えるというよりは、心を静にして、動を受け入れることことが大切ではないでしょうか…。
そこに音楽があるのかも。
私たちは日々の生活の中で自分にあったリズムを見い出し、自分のリズム、マイリズムで生活することこそ楽しい生活と言えるのではないでしょうか。
音の響き、音の流れこそ自分自身の心を洗い、体を清め真にやすらげるバランス体操になると思うけど…。
ゆく川の流れは絶えずして しかも もとの水はあらず
よどみに浮かぶうたかたはかつ消え かつ結びて 久しくとどまりたるためしなし
世の中にある人と栖とまたかくのごとし
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